ラッシュデュエル待望のゲーム「遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルロイヤル!!」の発売もそろそろですね。
全7種もある「遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルデッキ」の発売も控え、これをきっかけに「遊戯王ラッシュデュエル」を始めようという人も多いはず。
そこで今回は、OCGをメインにやっている筆者が「OCGプレイヤー目線」で見たラッシュデュエルの魅力を語っていきます。
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ラッシュデュエルの良いところ
まずは簡単にラッシュデュエルの良いところから触れていきます。
「速攻で熱狂!カードバトル」というキャッチコピーに違わず、スピーディでテンポの良い対戦ができるのがラッシュの一番良いところではありますが、今回はゲームデザインやカードの能力に着目して書き連ねていきます。
整備されたパワーライン
遊戯王には、レベル4以下の下級、リリースを1体要求する上級、リリースを2体要求する最上級と、モンスターに階級が存在します。
ラッシュデュエルでは、これらにステータスの基準として明確なパワーラインが設定されています。加えてメイン2がないことから「戦闘の重要性」が極めて高いです。
具体的には、下級は攻撃力1500、最上級は攻撃力2500が上限となっています。
ゆえにラッシュデュエルでは、モンスターの攻守を変動させる効果が重宝されており、モンスターでの殴りあいがメインになるのが面白いところですね。
また、最上級のパワーラインが2500であるため、守備2500以上のカードの突破がなかなか難しく、相手に消費を強いることができる点も面白い。
バニラが強い
ラッシュデュエルはバニラモンスター(効果を持たないモンスター)が強いです。
前述したパワーラインに沿って、下級の攻撃力1500のバニラカードが各種族に存在します。効果持ちを戦闘で倒しやすく、ライフを取りにいくカードとして重宝しますね。
また、OCGにいるモンスターがラッシュデュエルでカード化している場合もあります。
これらもうまく実装されており、《ドリアード》や《メカファルコン》など攻守のバランスが取れたカードが選ばれています。
《ドリアード》は守備1400のため、アタッカーである15打点の下級バニラなら突破できますが、それ以外だと突破しづらいという絶妙なステータスになっていますね。
OCGでは、9期にバニラを要するテーマが多く登場したことから、バニラサポートが増え、実戦レベルでの採用も見られるようになりました。しかしラッシュでは、初期からバニラと効果モンスターそれぞれに役割があり、非常に好感が持てますね。
個人的にバニラが強いTCGが好きなので(初期のヴァンガードなど)ラッシュデュエルも同様に好きです。
均衡を崩すレジェンドカード
前述したパワーラインを崩すのが「レジェンドカード」の存在です。基本的にOCGでかつて活躍したカードが充てがわれています。
レベル8である《青眼の白龍》は攻撃力3000、レベル6の《デーモンの召喚》は2500と、先述したパワーラインからかけ離れています。
しかしながら、越えられないというわけではなく、消費は強いられますが、しっかりと対策できるようになっているのも良いところ。
加えて、毎ターン手札も補充できるため、「強いカードを越えるためにたくさんカードを消費してしまってそのままジリ貧で負けた…」ということが起きにくいわけです。
レジェンドカードは、デュエルに起伏を与える存在として、良いアクセントとなっています。
構築上何を採用するか考えるのは当然として、相手が何のレジェンドを採用しているか、レジェンドカードはもう使ったから警戒を解いて良いなど、プレイ中にレジェンド絡みで考えることも多くて面白いです。
リベレはもう壊れじゃない
少し本筋からズレた話です。
最初期によく「ダークリベレイション(以下リベレ)が壊れている」と言われました。リベレが強すぎるからなんか面白くない、みたいなことも聞いたことがあります。
実際それだけ強いカードでしたが、今はそこまで怖いカードではありません。
正確に言えば、対策が増えました。
また、「リベレを基準にカードの強さを測れる」とも言えますね。リベレの対策になる、リベレが効かないから強い、というような「強さの基準」になっている気もします。
そもそも「竜魔」であればバックを割る手段も多く、《ささやきの妖精》《守護の竜魔導士》など初期から対策カードがあり、「攻撃しない」という対策もあったはずなので、そこまで壊れているか?と思っていました。
どう考えても《ドラギアス》の方が壊れています。
マナ制の遊戯王とは?
さてここで、タイトルにもある「マナ制」という部分に触れていきます。
個人的にラッシュデュエルは「マナ制の遊戯王」であると思っています。その理由を書いていきます。
手札=マナ
これはOCGでよく言われることですが、遊戯王はマナ制でないが故に「手札の数」がそのまま手数に直結します。
現代遊戯王では1~2枚から莫大なアドバンテージを稼ぐ手段が豊富に存在しますが、現状EXデッキの存在しないラッシュデュエルはそうではありません。
基本的にカード1枚は1枚分の働きをし、状況を選ばず使えるカードが「強い」カードとして使われています。
通常召喚権が存在しない
ラッシュデュエルは1ターンに何度も召喚を行えます。レベル6のモンスターを出すために、まずレベル4のモンスターを召喚し、そのままそれをリリースしてアドバンス召喚を行えます。
つまり逆に言えば、正規の方法で上級を出す場合には手札を2枚、最上級を出す場合には3枚消費して召喚を行っていると言えます。
これって言い換えればマナの消費ですよね?
手札をマナと置き換えれば、マナを消費して強いカードを召喚しているのと同義というわけです。
強い効果を使うためには手札を要求される
魔法罠を割ることができる《ハンマー・クラッシュ》、墓地リソースを軽減させ、《ダーク・リベレイション》《一気貫通》の対策となる《ささやきの妖精》など、汎用的に使える強いカードは総じて「手札コスト」を要求します。
手札をマナと置き換えれば、「マナを1つ支払って強いカードを使っている」とも言えます。
逆に言えば、《連撃竜ドラギアス》などの「強い」とされるカードが持つ「デッキの上からカードを1枚墓地へ送って発動できる」という発動条件は、マナを消費せず発動できるため、めちゃくちゃ強いと考えられるわけです。
毎ターン手札=マナが補充される
ラッシュデュエルの最大の特徴として、「毎ターン手札が5枚になるまでドローできる」という点があります。
これってマナ制のTCGにある「アンタップ」と同じと捉えられませんか?
MTGやデュエマであれば、ターンの初めに土地やマナをアンタップします。シャドバやハースストーンであればターンの初めにマナは補充されます。
これと同じように、ラッシュデュエルでは「手札を5枚になるまでドロー」するのです。
そしてラッシュデュエルは、最初のターンからマナの最大数、つまり手札5枚から始められるというのも特徴。ここが他のマナ制のTCGと違う点でもあります。
遊戯王はマナ制でないが故に行動に制限がないのが魅力の一つです。ラッシュデュエルも、最初のターンからマナの最大数が使えるため、最初から動きたいだけ動けます。キュークツじゃないわけです。
発表当初、手札が毎ターン補充されるからアドバンテージ差が生まれにくいのでは、と言われていましたが、ラッシュデュエルでは手札の差がアドバンテージに繋がるわけではないです。
マナ制のTCGは毎ターンマナを使い切った方がお得ですよね?
手札がマナだから、ラッシュデュエルも手札を全部使い切れるようどんどんカードを使った方が良いわけです。
ラッシュデュエルは、遊戯王OCGのルールを簡略化し、低年齢層向けにしたものと捉えられがちです。
しかし、表面的な部分でOCGのルールを踏襲し触れやすくしつつも、全く別のマナ制のTCGとして作り上げた、全く別のゲームなのです。
正直、この「ありそうでなかった」発想をうまく遊戯王風味に落とし込んだ開発陣の手腕には脱帽しますね。
マナ制と捉えると面白い点
ラッシュデュエルを「マナ制のTCG」として捉えると違った面での面白さも見えてきます。
手札をどう使うか
ラッシュデュエルは毎ターン5枚のカードを使えるわけですが、最上級を出すだけで3枚消費、《10sionMAX!!!》等の汎用魔法を使おうとするとコスト含めて2枚消費と、それだけで手札がなくなります。
限られた「5枚」の手札の中で、どのカードを「マナ」にし、どのカードを「生きたカード」として使うか考えるのはとても楽しいです。
前後の状況や相手の盤面も考えると、手札を残すプレイングも考えられます。この取捨選択こそが「遊戯王ラッシュデュエル」の醍醐味と言えます。
(例えば、相手の最上級を突破するために打点変動カードを伏せつつ、最上級を拾えるフェニックスドラゴンを握っておく等)
ラッシュデュエルは「運ゲー」と言われることが多く、TCGである以上それは否定しませんが、プレイの取捨選択をするという点においては、他のTCGと同様に奥深く考えることが多いです。
例えば以下のような手札ならどうしますか?
こちらは、私が実際に使っていた【竜魔】デッキを遊戯王ニューロンに登録し、お試しドロー機能でドローしてみた結果です。
もちろん、その時の状況に寄るところは大きいですが、さまざまな選択肢が考えられますね。
墓地を肥したいのであれば、コストで墓地送りを行える《セブンスロード・メイジ》の召喚を優先しますし、相手に伏せがあるのなら安全に攻撃を通すために《守護の竜魔導士》の効果を優先します。
リスクをとって《ミスティック・ディーラー》のドローを狙えば、引きたいカードを引けるかもしれませんし、セブンスロードの打点アップに寄与できる可能性もあります。むしろ打点アップを狙ってディーラー効果を使う場面もあるでしょう。
ライフを取りたいなら低打点順にリリースして《セブンスロード・マジシャン》をアドバンス召喚し、《ダーク・ソーサラー》はそのまま召喚し殴るのもありです。
毎ターン提供される5枚の組み合わせから、状況に合わせてプレイを選択し、時にリスクをとってランダム要素に身を任せる。ここにラッシュデュエル特有の面白さがあります。
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1ターン目から最大数のマナを使える
先ほども少し触れましたが、これが一番の特徴とも言えます。マナ制の要素を取り入れつつも「遊戯王」感を損なっていないどころか、表面的にはまんま「遊戯王」なのです。
マナ制のTCGは、序盤は土地をプレイしてターンを渡すだけ、という地味な立ち上がりになりがちですが、ラッシュデュエルでは最初から最大数のマナを使えるので派手に動けます。
つまり、アニメ映えがしやすいのです!!
というか、毎ターン大量ドローするの気持ち良すぎる!!!
マナを貯めるという地味な動きを「ドロー」という派手で楽しい動きに置き換えているのがすごいところです。
魔法を伏せる=マナブースト
手札に抱えられるマナは最大5ですが、カードを伏せることで次のターンに持ち越すことができます。これは実質的に次ターンにできることを増やす「マナブースト」と捉えることができると思います。
《10sionMAX!!!》を伏せて次のターン使えば実質1枚消費で使えるわけです。
あとちょっと脱線しますが、初心者やりがちなのが「3面伏せてしまう」こと。ドローしたいからといって3面埋めてしまうと後で自分の首を絞めることになりがちです。
魔法と土地を兼ねる効果持ち下級モンスター
下級モンスターを場に出すプレイは、1ターンに回数制限がないため、魔法カードを使うのと効果モンスターを召喚して効果を使うことはほぼ同義と言えます。
そのため、ラッシュデュエルの効果持ち下級モンスターはさまざまな効果を使う魔法としての側面と、上級モンスターのリリース要因となるマナを生み出す土地としての側面を兼ねています。
どういうことか、《スパークハーツ・ガール》を例に示します。
前述した通りラッシュデュエルでは、モンスターの攻守を変動させる効果が重宝されています。このような攻守の変動効果は下級モンスターが持っていることが多いです。基本的に手札コストを要求しますが、同時に場に出ることでリリース要因となり得ます。
つまり、2つの役割を持てるのです。
ラッシュデュエルは現状サーチ手段が乏しく、基本的にデッキを掘り進めていくことになるため、このように2つの役割を持てる効果持ち下級モンスターはとても重宝する存在です。
しかしながら、マナ、つまり手札コストは有限であるため、限られた手札の中でどのカードを召喚し効果を使うか、要求される手札コストを鑑みて、どのカードからプレイするか、簡単なようでプレイの組み立てには奥深さがあります。
結論
アニメ映えがしやすく、遊戯王の良さや雰囲気も損なわず、それでいて特有の面白さがあるのが「遊戯王ラッシュデュエル」です。
個人的にアニメ映えのしやすさは本当にすごいなと思っていて、逆転のしやすいゲームだからこそお互いの見せ場を作りやすく、良質な脚本とデュエル構成に繋がっているのかなと思いました。マキシマム召喚などワクワクする要素もありますしね!!
フュージョン召喚という新たな要素も出てきて、今後さらに盛り上がること必至ですね!!!ユウオウくんすき!!!
今までは、ラッシュレアの手に入れづらさや箱買いの渋さのせいでなかなか始めづらかったですが、最初にも記した通り、Nintendo Switch用ゲーム「遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルロイヤル!!」の発売も直近です。
遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルロイヤル!! 【初回生産限定特典】遊戯王ラッシュデュエルカード3枚同梱【Amazon.co.jp限定】オリジナルPC&スマホ壁紙 配信
「遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルデッキ」もお値段550円とほぼワンコインで、高額カードの再録もありすぐ遊べるので楽しみで仕方ないです……!
ビルドドラゴンが手に入れやすくなってようやくアサナさんのデッキ組めますわ〜〜。
ヘビィメタルも高額でだったのでロアくんのデッキは絶対に手に入れます!!!いろんなデッキで ヘビィメタル使いたい!!
この機会にぜひいろんな人に「遊戯王ラッシュデュエル」を触れてほしいと思います。