先日開催された「YCSJ横浜」に参加してきました!
今回はそちらで使用した「捕食植物(プレデター・プランツ)」デッキについて書いていこうと思います。
前回の記事
デッキリスト
「烙印」要素を絡めた「捕食植物」デッキです。
開催日の2日前にこのデッキを使うことを決め、色々調整を経てこの形になりました。
先手では連続融合で展開をし《ドラコスタペリア》+《ミラジェイド》+《烙印追放》で固い盤面を作り、後手では「超融合」や「捕食カウンター」を含めた戦術を駆使して盤面を返して戦います。
このように先手でも後手でも戦えるのが強く、シングル戦に向いていると考え、このデッキを選びました。
構築の反省点
まずデッキの詳細に触れていく前に反省点を書いていきます。
超融合が浮いている
上記リストを見て、「超融合」のパワーがそれほど高くないことが伺えると思います。
使用したリストだと、アルバスやアルベルを通常召喚したり捕食カウンターをばら撒かない限りは「闇属性」「光属性」や「融合モンスター」に対する回答にしかなり得ず、苦手とする対面には効かないカードになってしまっています。
無理な盤面を強引に返せるカードとしての価値が付与されておらず、シングル戦という「不利対面の対策をサイドに頼れない」ルールで、これはあまりにもったいないです。
調整段階では「闇属性を吸える」という点だけでもかなり機能していて、よく見るであろう《烙印融合》からの展開で並ぶ《ミラジェイド》などの対処に使えるという認識でした。
《沼地のドロゴン》を採用していれば、「宣告者ドライトロン」の先攻展開も《超融合》1枚である程度は返すことができるため、採用するべきだったなと思いました。まあうまいドライトロン使いはそこまで甘くないので、その後うまく展開を通せるかは別ですが……。
プレデター・プライム・フュージョンの不採用
最後の最後で《超融合》2枚目と入れ替えたカードです。
登場時こそ評価の低いカードでしたが、条件付きとはいえ速攻魔法の融合である点とサーチが容易な点、そして《トリアンティス》により「スケールでの融合が可能になった」ことでかなりバリューが上がった1枚です。
当日の試合中、《超融合》ではなくこのカードがどうしても欲しい場面がありました。このカードがあれば勝てたといっても過言ではありません。
その場面では自分の場に融合モンスターが3体いる状況で、サーチを《超融合》でなく《プレデター・プライム・フュージョン》にしておけば、《トリアンティス》で自分のモンスターに捕食カウンターをばら撒き、バトルフェイズ中に《スターヴ・ヴェノム・プレデター・フュージョン・ドラゴン》を出すことができました。そうすることで、相手の罠を一度咎めることができ、リーサルでした。
実際はその場面でスケール融合を行えば、もう1体融合モンスターを並べることが可能だったので、《覇王眷龍スターヴ・ヴェノム》を出して貫通付与させ、上記のようにバトルフェイズに融合していれば同様にリーサルでした。しかしながら、この択はリソースが完全に尽きてしまうため、罠が怖くて取れませんでした。
《プレデター・プライム・フュージョン》であれば手札コストがいらないので、手札に《増殖するG》が残ることになり、リソースの回復が見込めたのでこの択を選ぶことができたかもしれません。
というわけで改良したレシピを再掲。
2枚変わっただけですが、これからはこちらをもとに書いていきます。
まずは不採用カードについて。
ロンファ不採用の理由
植物族のワイルドカード《ローンファイア・ブロッサム》は不採用です。まず気になるところかと思いますが、理由としては大きく2点あります。
通常召喚から動くことが「弱い」
捕食植物において、オフリスだろうがキンジーだろうが何にしても通常召喚から動くことは基本的に「弱い動き」になります。
オフリスはあらゆる誘発が刺さるため言わずもがなですが、キンジー通常から入る場合は基本的にキンジーに妨害を当てることがマストであり、通らなかったらどうにもならないことが多いです。
上記と比べ《ロンファ》はどうかと言われると最悪で、うららを食らえば場に何も残らず、効果を無効にされれば融合素材にもできない炎属性モンスターが残るだけです。
手札で全く仕事をしない
召喚権を他のカードに割く場合、《ロンファ》は手札に残ることになりますが、融合素材にならないため全く仕事をしません。
「デスピア」モンスターや《アルバス》は闇属性であるため素材になり得るので良いのですが、《ロンファ》はそうじゃないということです。手札コストで捨てても良いんですけど、その場合でも結局闇の方が都合良いので……。
捕食活動不採用の理由
弱いからです。このカードを強いと思ったことはほとんどありません。
狙おうと思えばペンデュラム召喚ができるようになってからさらに不要になりました。
たまに欲しい手札の時はありますが、《捕食活動》でなければならないときの方が少なく、特に採用する必要はないかなと。
後述する《フルール・ド・サージュ》との噛み合いは良く、合わせて採用すれば光る場面はありますが、サージュ側がサーチ不可な点が足を引っ張っています。
アナコンダ不採用の理由
あると便利、レベルだからです。調整段階ではずっと採用されていて妥協展開でミラジェイドを出すことはありましたが、それより他の場面で活きるカードを採用したかったため抜きました。
フルール・ド・サージュ不採用の理由
個人的には推しカードで、調整段階では「ラビュリンス」相手では結構機能してました。バック除去が少ないのでその兼ね合いもあって入れてましたが、最後の最後で抜けたカードです。
機能するタイミングが局所的で、かつ召喚権を切らないといけない場面が多く、何と言ってもサーチ不可な点が非常に惜しい。ここぞというタイミングで持って来れるのであれば、非常に強いカードです。
では、次から各カードの採用理由について書いていきます。
捕食植物
メインギミックです。
上記13枚を採用しています。
融合手段として優秀な《キンジー》は3投です。「捕食カウンター」をばら撒けていれば除去札としても機能するのも偉い。
《キンジー》で融合するためには基本的に召喚権を使うため、2度目以降の融合の手段として用いることが多いです。
制限カードの《オフリス》ですが、めちゃくちゃ強いかと言われればそうでもなく、使わないことの方が多いです。出す場合《アンブロメリドゥス》からリクルートすることが多いです。
このカードを通常召喚することは死ぬほど弱いため、基本的に妨害を受けない状況、もしくは《ビブリスプ》を手札から切れる状況でなければ召喚しません。
そもそも、墓地へ行った時にサーチを行う《ビブリスプ》を切らない限り手札・場の「モンスターの総数」は変わらないため、デッキから特殊召喚できる場合でも、わざわざ《オフリス》を噛ませる必要がありません。
リクルート先は、もっぱら融合サーチの《コブラ》か、効果で融合できる《キンジー》ですが、「プレデター」罠である《捕食計画》をサーチしたい時だけ《セラセニアント》をリクルートして融合素材にしたりします。
《ドロソフィルム・ヒドラ》は除去用に用います。カウンターを置く必要はありますが、リリースという上質な除去をうてます。
《捕食計画》で相手ターンに落としたり、《ビブリスプ》使用済みの場合に《烙印融合》の展開で《ステイセイラ・ロマリン》から落としたりします。
《捕食計画》も《トリアンティス》も共に「対象を取らずにカウンターを置く」ことができるため、間接的に「対象を取らない除去」を行えるのは優秀です。
《ビブリスプ》はいかなる方法でも墓地へ行った場合に「捕食植物」モンスターサーチを行え、条件付きとはいえ自己蘇生効果を持っているため、《シャドール・ファルコン》のように2回分の融合素材となれるカードです。
《オフリス》のコストで切ることで損失を回収できるほか、《烙印融合》から直接落としたり、《ステイセイラ・ロマリン》から落としたりします。
《ブフォリキュラ》はペンデュラム効果で融合が行えるカードです。私は複数の融合手段がある場合、基本的にここから動きます。
ペンデュラム効果には名称ターン1がありますが、「効果の発動を無効にする」効果は意外と少ないため、「カードの発動を無効にする」効果で咎められることが多いです。その場合、ペンデュラム効果自体は未使用なため2枚目を発動すればケアが可能です。
また、効果を無効にされたとしても場に残れば次のターンにもう一度融合効果を使えるというのも大きいです。
このように《ブフォリキュラ》は裏目が少なく、《アンブロメリドゥス》を出す場合、《トリアンティス》の永続効果によりスケールでの融合をすることで、チェーン1アンブロ、チェーン2ブフォリキュラ、チェーン3トリアンティスと蓋をすればチェーン切りをすることができるのが優秀です。
融合素材になったときの回収効果も優秀で上記のように《トリアンティス》と共にスケール融合すると、実質手札消費一枚で融合ができ、かつ捕食カウンターもばら撒けるというお得仕様です。
《トリアンティス》は「捕食カウンター」をばら撒く手段として用いる他、スケール融合による柔軟な動きを可能にするカードです。
《ブフォリキュラ》の回収効果で拾えるのが偉く、《ブフォリキュラ》と共にスケール融合をした場合、実質手札消費1枚で《アンブロメリドゥス》を出しつつ「捕食カウンター」もばら撒けます。革命だろこれ。
打点が高いのも優秀で、長期戦が苦手な「捕食植物」にとってライフを取る手段ともなります。
《スパイダー・オーキッド》はスケールに貼った時、「相手の表側の魔法罠を割る」効果を持ってます。虚無スキドレ等を割るため保険で入れましたが、調整段階も合わせて実戦では一度も使いませんでした。フィールド魔法は割れないのがイラつく。
《ブフォリキュラ》の回収効果で拾えるのは偉く、スケールも8と優秀。最悪融合素材になるので、汎用バック除去よりは良いと思って《ハーピィの羽根箒》と入れ替えた経緯があります。
《捕食計画》は「捕食カウンター」をばら撒く手段としても優秀ですが、《捕食植物ドラコスタペリア》と合わせて使うことで妨害として用いることが主となります。手札が充足している場合に《アンブロメリドゥス》から持ってきます。
墓地効果も強く、コストで「捕食植物」を落とすため、無効にされたとしても《ビブリスプ》を落とすことで後続を確保できます。
特に新規に関してはこちらで詳しく書いているので合わせて読んでくださると幸いです。
デスピア+烙印要素
最低限の採用にしています。召喚権は《キンジー》で使うことが理想的なため《烙印開幕》はフル投入です。
今「捕食植物」デッキを組むとしたら「烙印」要素は絶対に入れるべきです。私も最初は懐疑的だったのですが、それほどに噛み合いが良く、純「デスピア」とは違った強みを得ることができます。
《烙印融合》。おろ埋におまけで融合モンスターが並ぶ最強カードです。来期に規制されそうですが、素引きがあり得ないほど強いだけでサーチ可能なので枚数が減っても許容範囲だと思います。このデッキだと一回使えれば十分ってことが多いですし。
逆に言えば、絶対一回は通したいカードなので《烙印融合》は極力2回目以降の攻め手で使います。他のカードに妨害を当てさせ、通りやすいタイミングで打ちます。
墓地にEXモンスターがいた方が素材の関係上都合が良いので、《アンブロメリドゥス》を出した後にやるのが理想です。
基本的に《アルバス》+光モンスター(ステイセイラロマリンが理想)で《烙印竜アルビオン》を作り、そこからルベリオン→ミラジェイド連続融合の展開をします。
《烙印竜アルビオン》を噛ませることで、エンドフェイズに「烙印」魔法罠をセットすることが可能となります。
《烙印追放》をセットすれば相手ターンに融合モンスター蘇生を経て再度融合ができるため、《スターヴ・ヴェノム・プレデター・フュージョン・ドラゴン》や《捕食植物ドラコスタペリア》を出せます。一応、相手のモンスターも吸えるため、運が良ければ相手のモンスターの除去も兼ねることができます。
墓地にデスピアモンスターかアルバスがいる場合は《赫の烙印》をセットし、相手ターンに《ガーディアン・キマイラ》を出すことも狙えます。
素材として落とす《ステイセイラ・ロマリン》から《ビブリスプ》を落とすことで、
- 次ターン用の後続
- 融合手段(ブフォリキュラ、キンジー)
- カウンターをばら撒く手段(トリアンティス)
とその場に応じたカードを持ってこれるのが偉いです。基本的には融合手段を持ってきて、場に残った《烙印竜アルビオン》を絡めて《捕食植物ドラコスタペリア》を出します。
《烙印開幕》は《アルベル》をデッキから持ってくる手段としても用います。墓地効果が優秀で、デスピアミラーにおけるミラジェイドの破壊効果からこちらの場の融合モンスターを守ってくれます。そのため、手札で嵩張った時コストで切っておくと後で役にたったりします。改訂で準制限になったので、アルベル3開幕2にする予定です。
エクストラ
今までの説明である程度名前が出てきているカードもいるので、言及されていないカードについて主に書きます。
《捕食植物アンブロメリドゥス》。捕食版ボウテンコウです。あまりにも強いカードですが、マイナーなため①のサーチ効果にうららを喰らうことが多く、②のリクルート効果が通りやすいです。リクルート効果は《コブラ》を持ってきて融合サーチをすることが多いです。《簡易融合》から出ると膨大なアドバンテージを稼ぐことができます。
このカードを出すことを最初に考え、《アンブロメリドゥス》からの動きで妨害をもらい、《烙印融合》を通すのが理想的な動きです。
《覇王眷龍スターヴァ・ヴェノム》は《トリアンティス》《ブフォリキュラ》のスケール融合を用いて、正規の手段で融合して出します。
基本的に墓地の《ミラジェイド》の効果をコピーし、除去を飛ばしながらエンドフェイズサーチによりリソースを確保します。
自分の場の全てのモンスターに貫通を付与する効果を持っており、「捕食植物」は如何せんスタミナのないデッキなので、これが意外と重要だったりします。
《捕食植物キメラフレシア》は高打点モンスターを処理したり、《アルベル》のような墓地から湧いてくるカードを除外する手段として重宝します。
「捕食植物」は《増殖するG》下で妥協する着地点がないため(個人的に3ドロー以上は許容できない)、自分の手札に誘発等があり融合効果に《増殖するG》を撃たれた場合は《捕食植物キメラフレシア》を出すことが多いです。
戦闘ではほぼ突破されず、スタンバイ融合サーチもかなり偉いです。採用を迷ったカードですが、結果的に良い働きをしてくれました。
《捕食植物ドラコスタペリア》は妨害として用いるほか、カウンターをおく手段としても優秀です。
素材指定が融合モンスター+闇属性と重めですが、《烙印融合》の展開を通せばいらない融合モンスターが並ぶのでそれらを使って出します。
《スターヴ・ヴェノム・プレデター・フュージョン・ドラゴン》は、《烙印追放》で出すほか、《超融合》で相手の《烙印融合》ででたモンスターを使って出たりもします。
《烙印追放》で出す場合は《ドラコスタペリア》で相手モンスターにカウンターを置いておくと、妨害効果を使えるようになるため、相手からしたらかなり厄介です。
相手ターンに《プレデター・プライム・フュージョン》で《トリアンティス》を絡めて融合モンスターを出し、カウンターをばら撒いて効果が使いやすくしたりできます。
「捕食植物」モンスター扱いなのが地味に偉いのですが、この構築で生きることはあまりありません。調整段階で抜けたカードですが《捕食惑星》の効果で融合召喚できるのが偉いです。
《トリフィオ・ヴェルトゥム》は超融合で出します。打点が上がる効果が結構強く、覇王スターヴと合わせて貫通で試合を決めに行くこともあります。出番はそこまでないです。
その他
ステイセイラ・ロマリン
カテゴリに属してそうでそうでもない植物汎用モンスターです。お察しとの通り、《烙印竜アルビオン》の素材となる光属性の植物族で墓地へ送って旨みのあるカードだから採用しています。
このカードを《烙印融合》で落とし、効果で《ビブリスプ》や《ドロソフィルム・ヒドラ》を落とします。実はエクストラデッキからも墓地へ送れるので《アンブロメリドゥス》を落とすルートも存在します。
地味にチューナーですが、このデッキで生きることはありません。
抹殺の使命者
《灰流うらら》の受けは良いため、基本的に《増殖するG》《無限泡影》に打ちます。(オフリスに対するうらら以外は)
それよりも《烙印融合》に打てるのがあまりにも強く、大体はがめて相手ターンの妨害として使っていました。
エフェクト・ヴェーラー
光属性がロマリンだけだと心許なかったので、アルビオンの融合素材として採用しました。調整段階では素材として墓地へ送られる場面が多々ありました。ロマリン素引きしすぎ……。
無限泡影
上記に記したように、ヴェーラーの方が素材になるので使い勝手が良いのですが、《アンブロメリドゥス》に対する《無限泡影》が重い場面があるため、抹殺用で入れました。結果的に手札から打ったことしかないです。自ターンに打てて妨害踏めるの強すぎ。
金満で謙虚な壺
融合デッキなので事故ることは多々あります。そのための保険です。基本的には融合素材が足りない場合は3枚除外、融合手段がない場合は6枚除外します。3枚除外のことが多いです。アルバス融合体、スターヴ・プレデター、キマイラ、アンブロ2枚目、フレシア、トリフィオ、ドロゴンあたりが除外候補でしょうか。
未来へ
「YCSJ横浜」で使用した「捕食植物」デッキについてでした。
戦績は3-1-1でしたが、割と良いデッキに仕上がったと個人的には思ってます。イベントのレポートについてはまた後日別であげようかと思います。
デッキとしてはパワーはあるのですが、如何せん自分のプレイが追いついていない感じがありました。それだけ新規のパワーが高いというわけですね。嬉しいような悲しいような……。
新制限に関して変える部分はほとんどなさそうですが、来期はおそらく「エクソシスター」をメインで使うので、このデッキとは新弾発売までの付き合いになりそうです。フリーとかでは引き続き使っていくつもりなのでもっと上手く使えるようになってあげたいなと思いつつ、アニクロに捕食新規があることを願っています。