こんにちは、くらくです。
今年も刺身さん(刺身 (@YPsashimi) | Twitter)企画の「遊戯王Advent Calendar」に参加させていただくことになりました!嬉しい!
本日私が担当ということで、昨日の担当されていた火界さんからバトンを受けるかたちで記事を書かせていただきます。
私は普段「ボードゲームが趣味」ですと言ってその場を凌いでいます!TCGもボードゲームの一種だからね!嘘は言ってない。
そして今回書くのは!「遊戯王ARC-V一年目を再評価したい」という記事です!
- はじめに
- 遊戯王ARC-Vとは
- 客観的な視点から遊戯王ARC-Vを評価する
- 主観的な視点から遊戯王ARC-Vを評価する
- 結論
- これだけはみて欲しい!くらく的ARC-V名デュエルセレクション
- この記事を通して言いたかったこと
- さいごに
はじめに
本記事では、まず「遊戯王ARC-V」という作品について簡単に説明してから、「客観的視点」と「主観的評価」によって「遊戯王ARC-V」の一年目が再評価に値するものだという結論に持っていきたいと思います。
去年の記事では、作画に注目して記事を書きましたが、今回は脚本、コンテまで広げて去年以上にオタク全開な記事になっています。
yamachi-9rakura.hatenablog.com
遊戯王ARC-Vとは
ぎゃろっぷ制作の遊戯王シリーズ第5作目です。監督は遊戯王5D`sと同じ小野勝己さん。キャラデザ原案が原作高橋和希さんではなく、漫画版遊戯王ゼアルを担当されていた三好直人さんです。実際のキャラデザは横田明美さんです。
ペンデュラム召喚が新しい召喚法として導入されつつも、召喚法によって隔てられた世界が複数あるという設定があります。そのため、前作、前々作のように召喚法が固定されることなく、融合・シンクロ・エクシーズと様々な召喚法が駆使され、画的に非常に華やかな作品となっています。
話の流れとしては、スタンダード次元編→シンクロ次元編→エクシーズ次元編→融合次元編→エピローグという感じです。
今回主に触れる1年目とは、第1話から第51話までのスタンダード次元編に当たります。
世間的な評価
1年目放送当時は、魅力溢れるキャラクターと様々な召喚法が入り乱れるデュエル構成、過去作を思わせつつも先の読めない展開と視聴者を釘付けにする要素が多くあり、非常に人気を博していました。
1年目時点では歴代最高傑作とも囁かれ、2年目から過去キャラクターである「ジャック・アトラス」や「クロウ・ホーガン」の登場が発表された時点での盛り上がりは凄まじかったと記憶しています。
しかしながら、2年目以降はホビーアニメの王道から外れた雑な展開やキャラクターの軸がぶれるような描写、行き当たりばったりのシリーズ構成など粗が目立ち、評価がどんどん落ちて行くことになります。
今回は再評価するという内容のため、深くは触れませんが、残念ながら世間的には「駄作」というレッテルを貼られてしまっています。
これにより1年目も「先が気になるから面白く感じていただけ」だとか「そもそもそんなに面白くなかった」などと言われてしまっています。それを考え直そうというのが今回の記事のコンセプトです。
客観的な視点から遊戯王ARC-Vを評価する
主観的な意見で「この作品は面白い!ここが良い!」とか言っていてもただのオタクの戯言にしかならないので、まずは客観的な視点からみて評価できる点を挙げていきます。
劇中音楽
遊戯王ARC-Vの劇中音楽は「コードギアス 反逆のルルーシュ」「スクライド」などの谷口作品や「仮面ライダー オーズ」などの特撮作品まで幅広く担当されている中川幸太郎さんが手がけています。
遊戯王シリーズといえば、音楽の評価は毎回高いですが、意外にもサウンドトラックの出来はあまり良いとはいえなかったです。(未収録が非常に多い、同じ曲が収録される等)
ただ、ARC-Vでは1年目時点でサウンドトラックが2枚も発売され、制作側からしても音楽面に力を入れていたことが伺えます。(EDを声優さんが担当していたりとか)
音楽の趣味は個人の嗜好によるので主観的な意見が少し入ってしまいますが、今作のテーマ曲とも言える「揺れろ!魂のペンデュラム」は歴代のBGMの中でもトップレベルにかっこいい曲だと思います。
脚本
実は1年目のみ担当されている脚本家の方も何人か存在します。1年目は2話完結のエピソードも多く、脚本家の特色が出やすい印象でした。
ひとり取り上げるとすれば、雑破業さんですね。ZEXALセカンドから遊戯王に参加されており、「92話 激戦カップルデュエル「アンナ奴と」俺がタッグ!?」「93話 献身的な愛 遊馬に託したラストドロー!!」のアンナのエピソードが印象的。
今期アニメでも「憂国のモリアーティ」「トニカクカワイイ」で脚本を担当されています。(どちらも私は未履修ですが……)
ARC-Vでは、以下の話数で脚本を担当されています。
- 005話 弟子入り志願!?おかしなおっかけ「紫雲院素良」
- 006話 無邪気な融合玩具 デストーイ・シザー・ベアー
- 010話 秘石の騎士!融合使い「光津真澄」
- 011話 身剣一体!!シンクロ使い「刀堂刃」
- 016話 天才料理人『茂古田未知夫』
- 017話 豪快披露!!満腹全席!
- 022話 占い少女 方中ミエル
- 023話 秘術の眼
- 028話 アユのエンタメ水族館
- 029話 融合する音姫!
主観的な意見になりますが、こうやって列挙してみるとすきなエピソードが多いです……!
「遊矢 VS ミエル」や「柚子 VS 真澄」、アユの話とかはまさに雑破業っていう感じのエピソードでしたね!(ミエルちゃんがかわいい)
あと素良くんをかわいく描いてくれるからすき。
「権現坂VS刃」はかなりすきなデュエルですし、ミッチー戦も逆転のきっかけを得る流れのスムーズさやミッチーの成長も描く点、素良の相手が裏番組など小ネタもあって楽しい回でした。
あと少し脱線しますが、雑破さんといえば「キラッとプリ☆チャン」にも参加されてますね。直近だとキラッCHUの初ライブ回の脚本を担当されてました。
(winterライブ最高だったな?!?)
キャッチーなキャラデザ
実際にARC-Vのキャラクターデザインが批判されているところはみたことがありません。ARC-Vに批判的な人もキャラデザはすきという方が多い印象です。
キャラデザをつとめられたのは横田明美さんです。ゼアルでも数多くの回で作画監督やられていました。ただ、アークファイブではいくつかOPEDで作監をやるだけでしたので、基本的にキャラデザに注力していたようですね。
メインキャラは三好さんの原案があるとはいえ、キャラクターの数も他作品に比べて多かったのでかなり気合を入れていたということが伺えます。
遊矢シリーズ、柚子シリーズと突飛なデザインでありながら「かっこいいしかわいい」本当に良デザインですよね。
主観入りまくりなんですけど、融合次元のキャラが本当にすきで、ユーリの特徴的な眉毛とか素良くんの髪型とか服装とかセレナの髪型とか……。
OCGの売り上げ
アニメの評価とは別ではありますが、カードゲームを扱うホビーアニメとしての側面を持つため、切っても切り離せない話題。
データを出せないのが歯痒いですが、ゼアルの時の8期と比べて売り上げは上がっていたようです。
実際に人気が最高潮だった2年目最初のレギュラーパック「クラッシュ・オブ・リベリオン」は、近場のショップでは発売日から定価以上の値段で売られているにもかかわらず売れているという異常事態でした。
主観的な視点から遊戯王ARC-Vを評価する
今度は私個人の視点から、「遊戯王ARC-Vの評価できる点」について記していきます。
(いや今までも主観的な意見言ってたような…)
アクションデュエル
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが、モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る! 見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション…デュエル!」
アクションデュエルときいて、ほとんどの人が「遊戯王ARC-Vの悪い点」としてあげると思います。
しかしそれは、《回避》や《奇跡》に代表される「アクションカード」と2年目以降のフィールド魔法《クロスオーバー》に引っ張られている感が否めないです。
遊戯王はカードを扱ったホビーアニメなので、ただ単純にカードバトルをするだけだと画的な華やかさが薄れます。
そのため、5D'sでは「ライディングデュエル」が、ゼアルでは「ARデュエル」と、"画面的な動き"を出す工夫がなされており「アクションデュエル」もその一環というわけです。
(のちのVRAINSでは「スピードデュエル」がこれにあたりますね)
口上にある通り、初期は「モンスターと共に」という部分をかなり感じられるデュエル構成多く、モンスターに乗ったりモンスターの力を使って移動をしています。これは他のシリーズにはない要素ですよね。
(GXの異世界編、特にゾンビのところとかはこういう要素が少しあった気もしますが…。その系譜を継いでいるといえば聞こえは良いですね)
「アクションカード」をとることで有利にゲームを有利に進められるので、モンスターに乗る意味もあるわけですね。単純なステータスや効果だけでなく、「乗りやすさ」「機動力」みたいなところまでみて採用とかしてるのかなぁとか妄想すると楽しいです。
多彩なフィールド
1年目のアクションフィールドは、種類が多彩でそのフィールドごとに特性があります。
それだけではなく、キャラクターごとに得意・不得意なフィールドがあったりします。アニポケのリーグ戦を思い出しますね。
主人公の遊矢の得意なフィールドは《アスレチック・サーカス》ですね。サーカス由来のアクションカードが多く出てきます。
空中ブランコを使った描写が楽しかったですね。(DDリリスとDDナイト・ハウリングのチューニングのシーンとか)
ストーリー展開に合わせたフィールド
第1話、2話で描かれた遊矢VSストロング石島での《辺境の牙王城》、遊矢VS沢渡1戦目の《ダークタウンの幽閉塔》など、フィールド自体がストーリーに沿った舞台設定として非常に有効に働いており、デュエル中での物語の起伏やドラマチックな演出に繋がっています。
ピンチになった時、崖っぷちに立たされたり、建物が崩れたりと様々ですね。
「素良 VS 黒咲」「遊矢 VS 零児」で使われた《未来都市 ハート・ランド》などその後のストーリーを匂わせる演出としてうまく働いていましたね。
コンテ的な面白さ
世間的にも評価の高い「遊矢VS沢渡 2戦目」、その直前の「柚子VS真澄 2戦目」は非常に凝ったコンテをしており、アニオタ的に見ていて非常に面白い回でした。
文字通りキャラクターが「アクション」するため、基本的に棒立ちでデュエルを続ける他作品と比べて、画面構成で演出をするということが可能になっているのです。
「柚子VS真澄 2戦目」は高低差があるフィールドゆえ、3次元的な上下の移動も多く、まさにアクションデュエルといった画に仕上がっていました。この回は総作画監督の原さんの修正も多くて綺麗で嬉しかったです。
「遊矢VS沢渡 2戦目」では遊矢と沢渡の立ち位置が、上手(かみて)下手(しもて)と目まぐるしく変わっていき、デュエルが一進一退の攻防であることを画面構成でも演出しています。(優勢なキャラクターが上手に、劣勢のキャラクターが下手に描かれる)
eveydayanime-9rakura.hatenablog.com
デュエルが始まる前の最初の立ち位置としては、前回敗北した沢渡が下手に描かれています。
デュエルが進み、沢渡の戦術により遊矢が不利に立たされることで遊矢が下手へと移ります。
その後、遊矢がピンチを脱したことから立ち位置がさらに変わり、遊矢が上手に描かれます。
この回は引きの画でお互いの立ち位置を描いていることも多く、かなり意識してコンテが組まれていると感じました。
オタク的な深読みですが、お互いがこのデュエルをショーとして自覚し、楽しみながら観客を沸かせていることから、舞台の概念である「上手・下手」を強く意識したコンテに仕上げたのかなと推察します。
階段を登っていく描写や不利なキャラクターが低い位置に描かれる流れなどコンテが本当に光る回ですね。
(逆にいえば作画カロリーが非常に高いので長続きしなかったのかなぁ…という印象です)
アクションカード
アクションカードも批判の的になる要素ですが、これも1年目においては、そこまで悪いものとはいえないと考えています。
まず前提として、私のアクションカードに対する意見は「カードゲームとしては破綻しているが、ホビーアニメとしてはあり」というものです。
1年目はスタンダート次元のデュエリスト同士のデュエルが多いため、お互いにアクションカードを使う描写が多いです。アクショントラップに遊矢が引っかかることもありました。
権現坂のように「アクションカードを拾わない」というスタンスのデュエリストもいます。25話に登場した《超重荒神 スサノ-O》は相手の墓地の魔法(つまり相手が使ったアクションマジック)を使えるというカードの存在もあり、個性が光ります。
そして、ミッチーや月影のようにアクションカードを多用することをコンセプトとしてデッキを使うキャラクターもいます。
真澄の使う《ブリリアント・フュージョン》のステータスを戻すためのコストが魔法カードなのも、アクションカードを使った戦略の一つとして描かれています。
作中では、アクションカードをとる様、身のこなしなどをみて「あいつはどこの塾だ?」みたいな声が上がることもありました。
アクションカードの獲得を妨害するようなプレイング(乗り物にしていたモンスターを除去するなど)も見られ、アクションデュエルならではのプレイもあったりします。
勝鬨のようにアクションカードをとることを妨害する戦い方もあり、キャラクターや所属する塾ごとにアクションデュエルへの取り組み方への違いがあり、それがキャラ付けの一環となっていたのは面白いと思いました。
また、批判的な意見としてよく見られるのが「主人公側だけがアクションカードを使う」というものですが、これは2年目以降によく見られるものです。
そして、2年目以降のこれは(作劇的に正しいかは置いておいて)「制作側で意図されているもの」だと言えます。
それはなぜか。
1年目最後に結成されたランサーズですが、作中で赤馬が「スタンダード次元の武器はペンデュラム召喚とアクションデュエルである」と言っています。その武器を使って他次元の敵と戦っていくのが2年目以降のお話。
つまり、主人公側が「アクションカードを武器として一方的に使いデュエルを有利に進める」ことが作中で良しとされていたわけですね。
結果的に視聴者の目には良く映らなかったわけですが、デュエル構成はしやすくなって制作側からしたらやりやすい設定だったのかなと思います。
(前述した通り、2年目以降発動されるアクションフィールド魔法はほとんど《クロスオーバー》であり、使用するアクションカードがほとんど《回避》や《奇跡》となってしまったことからくる「つまらない」という批判はもっともです。そこは流石に擁護できません…)
ちなみにあまり知られていませんが、アクションデュエルには「1ターンの時間制限」が存在する(デュエルを1分以上中断すると反則負けとするルール)ため、これに則ると「ずっとアクションカードを拾っていてばいいのでは?」という疑問は解消されます。
(まぁ制作側がこのルールを覚えていたかは定かではないですが…)
端的にいえば、
アクションカードへの向き合い方でキャラ付けが行われている点は評価できて、アクショントラップの存在とお互いに使用するという点
から多少ご都合展開を抑えられている、というのが1年目のアクションカード周りだったと思います。
アカデミアが敵組織である点
これも批判的な意見が多く見られます。確かに私もGXは大好きなので、良い印象を持たない人の意見も理解できます。
(エド関連については酷すぎて流石に擁護できないです)
ただ敵キャラクターが「古代の機械」を使うというのは面白いなと思いました。
前述した通り、「アクションデュエル」は「スタンダードの武器」であり、「アクションカード」を使うことによりデェエルを有利に進められるというのが劇中を含めても示されていました。
ですが「古代の機械」の多くのモンスターは「このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない」という共通効果を持っているため、敵の攻撃時には「アクションカード」を使えないわけです。
これは劇中でも描写されており、この関係性によって、敵としての存在がより際立つように狙ったのではとも思います。
(バーンばかりだったからそうでもないとか言わない)
遊矢の成長描写
これもアークファイブの批判点としてよく挙げられるものですね。
確かに成長したと描写されてもそれを感じられなかったり、視聴者から見ても遊矢よりデニスのエンタメデュエルの方がよく見えたりしましたね。
ただ、1年目はかなり綺麗に遊矢の成長が描かれています。簡単に触りだけ書いていきます。
まず1話時点の遊矢は、後に「デュエルから逃げていた」と本人もいったように後ろ向きな性格でした。
それから遊勝の言葉を頼りに前に踏み出すことで、結果的に「ペンデュラム召喚」という自分だけの力を手に入れるのです。
それから赤馬零児とのデュエルを通じて「ペンデュラム召喚」が自分だけの力ではないと知り、落ち込みますが塾長とのデュエルを通して立ち直ります。
その後舞網CSの参加資格を得るためのデュエルを通じて、様々なことを学び成長していきます。
最終的に「榊遊矢 VS 沢渡シンゴ 2戦目」において、「観客を沸かせるショーとしてのデュエルとは何か」ということを自分の中で確立したように描写されていました。
(この回はコンテだけでなく、本当にセリフやデュエル構成が良い……)
勝鬨戦では覇王化(ズァークに乗っ取られる状態)してしまい観客を失望させるデュエルを行ってしまったことを悔いますが、最終的に素良2戦目では怒りを抑え、素の遊矢としてデュエルを挑む姿は成長を感じさせました。
その他細かいところでも、柚子や権現坂に支えられ、徐々に成長していく過程が丁寧に描かれています。
ペンデュラム融合は柚子との、ペンデュラムエクシーズはユートとの絆として描かれているのも良いですね。
VS零児2戦目では、今まで支えられた柚子をどんな手を使っても必ず助ける、ユートとの約束を果たすと言い放った遊矢をみて成長したなと感じます。というかここめちゃくちゃ熱い。
幼馴染の柚子や他のカードにされた被害者を蔑ろにした零児に対して怒り、デュエルを挑む流れは「主人公してるなぁ…」とかなり魅力的に感じました。
エンタメデュエル
「レディース&ジェントルメーン!!」の下りから始まるエンタメデュエル。
勝ち確の煽りと言われることもあり、あまり良い印象をもつ人はいません。
確かにその通りである展開も存在し、全体を見ると演出が派手なだけというデュエルも少なくないです。
ただ、2年目以降固執していた《スマイル・ワールド》が1年目にはまだ登場しておらず、それゆえに無理な展開は少ないです。
エンタメ部分も「これからどうなるか」というギャンブル性を楽しむような場面があり、正しく「エンタメ」しています。
(外したら負けるドローの際に行う、勝ちの要因にならない場面で行うなど)
また、独りよがりなエンタメは作中でも非難されており、1年目時点ではデニスのエンタメデュエルの方が上ということも示されています。
(ミッチーの「は?なんだこいつ」とか。即落ちしていた終盤の敵と違って、相手は無反応な場合が多い)
そのため、遊矢のエンタメデュエルは未熟なものとして描かれています。基本的には、観客は遊矢のペンデュラム召喚に沸いているように描写されていました。
VS 沢渡 2戦目のように、観客を沸かせられたデュエルがしっかりと良い「エンタメ」として提示されているため、ある程度説得力がありました。
また、1年目は勝たなければいけないデュエルでは基本的にエンタメを捨てており(しかも覇王化せず)、ちゃんと遊矢に人間味を感じるのが良いですね。
(権現坂戦や素良2戦目、零児2戦目など)
結論
これまであげてきた通り、アークファイブは批判されがちな点も「1年目」と絞って見ることで、ある程度擁護ができる点が多く、批判に値しないと言えるのではないでしょうか?
最終的には主観的な意見にはなってしまいますが、1年目は脚本も整合性が取れており、キャラクターの成長描写もしっかりと描かれ、凝ったデュエルもあるため、やはり遊戯王シリーズの中でもトップレベルで面白かったと思います。
「終わりよければすべてよし」とシェクスピアの戯曲にあるように、終わりがあれだったので世間的な評価が厳しめなのは理解できます。
(私も最終回については色々言いたいことはありますし…)
ただ、遊戯王というアニメはデュエルを題材にしていることもあって、1デュエルごとで楽しむことも可能ですし、アークファイブのカテゴリはOCG化に恵まれているので、デッキを組む前にエピソードごとで見るのも良いと思います。
これだけはみて欲しい!くらく的ARC-V名デュエルセレクション
ということで、最後にこれだけはみてくれ〜っていうデュエルをいくつか紹介しようと思います。今回は1年目に限ろうと思います。(別記事で2年目以降のデュエルもまとめるかも)
榊遊矢 VS 沢渡シンゴ 1戦目
(使えないカードとして沢渡が遊矢に投げたカードたち。ハングリーバーガーとモリンフェンとヤリザ殿がw)
該当話数:第3話 ダークタウン 奪われたペンデュラム召喚
第4話 一筋の希望!! ブロック・スパイダー
2戦目はARC-Vのベストバウトとしても上げられるレベルですが、こちらも良いです。
最序盤ということで、ペンデュラム召喚のルールやアクションデュエルのシステムの説明も兼ねながら、かなり凝ったデュエル構成をしているエピソード。
アクションデュエル特有の「モンスターに乗って戦う」ということの重要性を示し、沢渡が使えないカードと評したカードでフィニッシュするのが清々しいです。
沢渡がまだ「イヤなやつ」として描写されていて、また印象が違って見えるのも面白いですね。
榊遊矢 VS 方中ミエル
該当話数:第22話 占い少女 方中ミエル
第23話 秘術の眼
ミエルはリバースモンスター主体で儀式モンスターが切り札とアニメではあまりみないデッキで、遊矢が初手で手札事故を起こしたり、アクションカードで2択でミスったり、相手のアクションカードで苦戦を強いられると珍しい描写が多くて楽しいです。
22話は本社回で川村さんの作監が光るのも嬉しい。川村さんの遊矢かわいいなぁ…。
あと儀式召喚の演出がカッコ良いですね!
黒崎隼 VS LDS三人組
該当話数:024話 反逆の翼 レイド・ラプターズ
言わずと知れた有名回。蛯名さん作監回ですね。作画が綺麗すぎる〜〜。
《RRーライズ・ファルコン》が初登場した回であり、LDS三人組が使う「セイクリッド」「ジェムナイト」「Xーセイバー」のガチガチの展開がアニメで見れるという贅沢仕様。
(あんな複雑なデザインのモンスターを動かしてくれてアニメーターさんありがとう…)
ちなみに「セイクリッド」使いの北斗の声優さんは今大人気の花江さんですよ!炭治郎!!
見せ場といえば、ライズ・ファルコンのX召喚から攻撃までの流れ。本当にここがかっこよすぎて何回も見てしまう……。
「雌伏の隼よ 逆境の中で研ぎ澄まされし爪を上げ 反逆の翼翻せ!エクシーズ召喚!現れろぉぉぉ!!ランク4!RRーライズ・ファルコン!!」
ARCーVで最初に覚えた召喚口上な気がしますw 現れろぉぉぉ!!ランク4!の部分がめちゃくちゃかっこいい!!
これ言いたくてレイド・ラプターズ使ってたまである。
あと真澄ちゃんが美少女すぎて辛い……。
榊遊矢 VS 権現坂昇
該当話数:第25話 不動の覚悟!! 権現坂昇
第26話 新たな地平 超重荒神スサノ-O
遊矢がエンタメデュエルをしないエピソードです。権現坂が初めてシンクロ召喚をするデュエルでもあります。
ギャンブル性のあるカードを使ってからの大逆転は燃えますね。というか権現坂のセリフがいちいちカッコ良すぎる。
この回は遊矢がかなりかっこよく、これの次回の舞網CSの選手宣誓も含めて成長を感じるのが良いですね。
榊遊矢 VS 紫雲院素良 2戦目
該当話数:第49話 デュエルで笑顔を
1戦目も良いけど、やはり2戦目が熱い。
目の前で仲間をカードにされながらも、怒りをおさめて「素良に笑顔を取り戻す」という意思のもと素良にデュエルを挑む遊矢。
遊矢の成長を感じられるエピソードでもあり、素良には素良の信念が感じられて、お互いに想いをぶつけ合うデュエルなのが熱い。
最高なのが「エンタメデュエル」をするのではなく、感情を制御した上でペンデュラムエクシーズモンスターを出して相手をワクワクさせるという流れ。そして、これにより「素良に笑顔を取り戻す」ことを部分的に達成していること。
ことあるごとに《デストーイ・マッド・キマイラ》を出しがち(舐めプ)な素良が割とエグめの展開をしていてちゃんと強キャラ感が出ているところが良いですね。
最後のアクションカードの応酬も熱く、こういう「アクションデュエル」が見たかった!と当時思ったものです。
セレナ VS デニス
該当話数:第45話 相克と相生
完全なる趣味。内容はあれですが、蛯名作監のセレナがかわいすぎる〜〜。
本気でやり合ったデュエルが見たかったです。
というかこの回は「素良 VS 黒崎 2戦目」「遊矢 VS オベリスクフォース」も並行して行われているのでかなり豪華。
この記事を通して言いたかったこと
私はなんだかんだ言ってアークファイブが好きです。
融合次元編や最終回には納得いっていませんが、それでも1年目は本当に毎週楽しみで仕方なかったです。
色々述べましたが、全てオタクの戯言、つまり「作者の人そこまで考えてないと思うよ」って言われればそれまでです。
でも、「何が悪かった」とか「あれがクソだった」みたいなネガティブなことをいうより、「あそこが面白かった」「あのキャラが好きだ」みたいなポジティブな話をした方が楽しくないですか??
確かに批判することも重要です。制作側もこちらの声をしっかり見ていますので、そこから作品がより良いものになることもあるでしょう。ただ、作品が放送が終わった今、否定してばかりでは何も生まれません。
見出しの画像は有名かと思いますが、昔ジャンプで連載していた「ツギハギ漂流作家」の一コマです。
(ルフィのセリフじゃないよ)
このセリフの前に「百の罵声をあびせるよりも 好きなもん一つ 胸張って言える方がずっとカッコいいだろ」という一節があります。
悪いところをとことんまで叩いて全てを否定するより、好きなものを好きと言い、良いところを褒める方がかっこいいのです。
世間的に批判されているものを褒めるのはなかなか勇気がいります。ですが、自分の「好き」に嘘はつけない。
だから私はアークファイブの良いところを語りたいし、今でも好きと言えるのです。
この記事を書くにあたってアークファイブ見直したんですけど、やっぱり随所ではめちゃくちゃ面白いんですよ!!
私はぎゃろっぷが制作した遊戯王のアニメが大好きです。またいつか、遊戯王のアニメがぎゃろっぷ制作で世に出ることを願ってます。
さいごに
今回は遊戯王ARC-Vの1年目を再評価したいという内容でした。
1年目だけであれば、アニメとしてかなり出来の良い作品だと思います。
見たことがない人は、世間的な評価に流されず、一度見て見ることをお勧めします!!
やっぱりまたぎゃろっぷの遊戯王が見たいですね〜。セブンスもめちゃくちゃ面白いんですが、OCGのアニメも見たいんですよね〜〜!!。
ちなみに今ぎゃろっぷはデジモンのグロス回を担当しています!小川さんの原画や原さんの作監が見れて嬉しい!!
さて、明日の記事はあれくさんです!
あれくさんといえば「ダーク・ダイブ・ボンバー」で地球上のデュエリストを焼き払った男として有名ですが、さてどんな記事を書かれるのか……楽しみですね!