最近非公認大会等で入賞している色んなデッキで、《月の書》の採用が見られます。
なぜ最近になって評価が上がっているのでしょうか?
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古来よりの強カード《月の書》
月の書は過去には制限カードに指定されたこともあり、昔から強いカードとして認識されてきました。
アニメファンからすればゼアルでカイトが使っていた印象が大きいですね。
場のモンスターを裏守備にするというシンプルなテキストはありますが、速攻魔法である点などを踏まえると使い道がとても多く汎用性に優れています。
- バトルフェイズに相手モンスターを裏守備にし、攻撃を止める
- チューナーと非チューナーが並んだ時、どちらかを裏守備にしシンクロ召喚を阻害する
- 同じレベルのモンスターが並んだ時、どちらかを裏守備にしエクシーズ召喚を阻害する
- 単純にモンスターが並んだ時、いずれかを裏側にしリンク値を下げる
- 起動効果を阻害するため、召喚後に裏守備にする
- 厄介な永続効果持ちのモンスターを裏守備にする
- 妨害効果持ちのモンスターを裏守備にして妨害を踏む
とりあえず思い浮かんだ分だけ列挙してみましたが、それでもこれだけあります。
2期から存在するカードですが、遊戯王が歴史を重ねていく中で、新たに多くの用途が生まれ、相対的に強くなっていったという流れです。
なぜ"今"採用されるのか
前から強いのはわかったけど、なぜ今になって採用されるようになったのか、考察していきます。
現環境で強い
まずそもそも現環境で強いデッキに対して強いカードであると言うのが挙げられます。
十二獣対策
まず現在幅を聞かせている「十二獣」デッキに対しての《月の書》はかなりの強さを誇ります。
「十二獣」デッキに対しては《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》が効き辛いです。
「十二獣」は「十二獣モンスター」が全てが1枚初動札であり、「十二獣モンスター」の召喚を通すことができれば、ある程度の妨害を構えることが可能です。それだけ召喚を通すことが重要なのですが、《月の書》はそれを潰すことができます。
メインデッキに自由枠のある十二獣側も月の書を採用し《抹殺の指名者》の弾として用意している構築も見られます。後引き、素引きも弱くないですからね〜。
「十二獣」側は通常召喚したカードが裏側にされてしまった場合、《十二獣の会局》くらいしか解答がないため、メインからパンクラ等のパワーカードを採用してそこから動くというのが定石となりつつあるようですね。
システムモンスターへの対策
その他には《エルシャドール・ミドラーシュ》や《超雷龍サンダー・ドラゴン》、《M・HEROダークロウ》のような強力な永続効果を持ったモンスター(ここではシステムモンスターと呼称します)への解答として《月の書》は用いることが可能です。
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エルドリッチ、オルターガイストにも
エルドリッチがいる状況で、黄金郷罠を打たれた場合、チェーンでエルドリッチを裏側にしてしまえば追加効果を使われないようにできます。
オルターガイストもメリュシークを裏にしてしまうだけで一手遅らせることが可能なので強いです。
メインから積みやすい
《月の書》は先攻でも後攻でも強いカードであるため、メインから採用しやすいです。
先攻での妨害札として
先攻では妨害として機能する速攻魔法として伏せることができます。
前述したように十二獣対策として用いるのはもちろん、単純に展開の阻害としても使えます。
《幻影騎士団ティアー・スケイル》に代表される、強力な起動効果をもつモンスターを召喚後に裏守備にして黙らせることも可能です。
このように盤面で展開を行うデッキに対して初動を潰す役割を持てます。
後攻では妨害を踏む
後攻では前述した通りシステムモンスターを黙らせるだけでなく、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》などに代表されるなんでも無効などをもつ妨害モンスターを対象に打つことで、1妨害を踏むことができます。
構えられたアーゼウスに対して最初に月の書から入って黙らせてから動く、と言うのもできますね。
競合相手として、《融合解除》が存在しますが、こちらはメインから積むにはかなりリスキーなカードです。
ただ、《墓穴の指名者》が準制限になり減った今、融合回収をもつ《エルシャドール・ミドラーシュ》や耐性をもつ《超雷龍サンダー・ドラゴン》に対して打つ場合はやはり《融合解除》の方が圧倒的に強いです。
また《精神操作》も同様の役割を持てるカードですが、リンクを使うデッキでないと使いづらい点もあり、かつ後攻で用いるカードのため、サイドからの方が無難な気もするカードです。
除去と展開補助を1枚で行えるカードなので、強いタイミングでは月の書より強いカードです。
誘発ケアとして
環境が始まったばかりとはいえ、現状環境トップとされている「シャドール」デッキで採用される《ゲール・ドグラ》のように、どうしても通したい効果を通すために用いることも可能です。
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《ゲール・ドグラ》だけでなく、召喚時効果をもつサーチャーなどの効果に対しては手札誘発を当てられやすいです。
打たれた《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》のような「表側表示」のモンスターに作用するカードの効果を《月の書》で対象モンスターを「裏側」にすることで躱すことができます。
(シャドールでは《影光の聖選士》の墓地効果で同じようなことができます)
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ゲールドグラの効果は起動効果ですが、相手側からするとライフを払わせたいので効果発動にチェーンされることが多いです。そのため、このテクニックを使う機会もあると思います。
同様に《スキル・ドレイン》も「表側表示」にのみ適用されるため、発動だけしてそれにチェーンして《月の書》を打ち、モンスターを裏側にすることで効果を通したりもできます。
そもそも新ルール適用後は強いカードだった
裏守備にできないリンクモンスターを使わざるを得なかった10期と違い、11期はリンクを経由せずともよくなりました。
そのため、以前より《月の書》のバリューは上がっていたと感じています。
ではなぜ今まで流行らかったかというとこのカードが効かないカードがずっと環境に居座っていたからです……。
はい、ドラグーンですね……w
《月の書》は前述した通り先攻でも後攻でも強いカードですが、対象を取るため、対象の取れないドラグーンには無力でした。
それゆえに捲りカードとして《禁じられた一滴》が流行っていましたが、依然強いカードとはいえ、以前より重要度は下がった印象ですね。
《禁じられた一滴》でしか返せない盤面というのもありますし(VFDなどには無力ですね)、役割がかぶる訳ではないですが、システムモンスターを黙らせるという目的であれば《月の書》でも大丈夫な場合もありそうですね。(タイタニックギャラクシーのような魔法無効が立っていると困りますが……)
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さいごに
今回は現環境において《月の書》が採用される理由について考察しました。現代遊戯王においてもかなり強いカードであると感じますね!
《月の書》
— くらく@くらくらころころ (@9ra_koro) 2020年6月23日
やれることが多くてすき。シンクロエクシーズリンク妨害、戦闘補助等色々
実は以前「#いいねの数だけ好きなカードを言う」というタグで最初にあげたカードが《月の書》でした。
それだけ好きなカードなので、今になって環境に顔を出し始めると言うのがとても嬉しいですね。
このカードのせいで負けた試合も数多くあれば、勝った試合もありました。本当に好きなカードです……!
安いカードだからみんな買って使おう!!