こんにちは、くらくです。《クロシープ》登場からなんと2年が経ちました。
今回は、以前紹介したデッキ「クロシープコントロール」の現状を紹介する記事です。このデッキ、「BURST OF DESTINY」でかなり強化されました。
前回の記事↓
前回のデッキ紹介↓
デッキコンセプト
コンセプトは《クロシープ》の融合参照効果による蘇生で場をコントロールすることです。
常に《クロシープ》をEXモンスターゾーンに維持し、さまざまなマスコットモンスターで自分相手ターンに共に何かしらの除去を飛ばします。
《森の聖獣 カラントーサ》のトリガーが「獣族の効果で特殊召喚」であり名称ターン1もないことから、 《クロシープ》で蘇生する以外の方法で出力しても、重ねて効果を使えるという点に着目しました。
と、ここまでは以前以下の記事で書いたとおり。
7月に発売された新弾「BURST OF DESTINY」でこのデッキがかなり強化されたので、その進捗を記していく記事です。
デッキレシピ
まずは今のリストを。
「シャドール」「メルフィー」「ペンギン」をメインとしてすえたデッキです。
また「メガリス」「未界域」の要素に加え、リバーステーマの姫《聖占術姫タロットレイ》を組み込んでます。
デッキ内のカードの相関図は以下のようになります。基本的には以前とあまり変わりません。
構築の流れ
初期構想から前回の構築までの流れは以下の記事を参照ください。
このデッキで《クロシープ》の効果で蘇生したいモンスターもこちらの記事でまとめています。
問題点を洗い出す
さて、前回このデッキは「発展途上」な感が否めないと書きました。
その上で、デッキの問題点として以下が挙げられます。
- 先攻時セットエンドでターンを渡すことが多かった
- 出力された「未界域」の有効活用ができていない
- 融合ができない状態での攻め手不足
- 《影依の偽典》で除去できない属性の耐性持ちモンスターの存在
- ライフをなかなか削れない
まず一つ目。
このデッキには明確に「先攻1ターン目にやりたいこと」がありません。強いて言えば、「クロシープを立ててリンク先に融合体を出力できるようにし、かつメルフィーで1〜2妨害構える」くらいでしょうか……。要求札が多すぎて、まあ無理ですね。
このデッキは基本的に「複数のカードを消費して1回の除去を行う」行為を毎ターン繰り返します。その準備と損失を回復できる土台をいち早く揃えることが、初動に求めることです。それも叶わない場合にセットエンドになるので、何かしら新たな攻め手が欲しいです。これは3つ目の問題点につながる話ですね。
実際《森のメルフィーズ》を立てやすくすることが安定に繋がるのですが、それに繋がるカードを増やすことは後引きで弱いカードが増えることと同義であり、あまりやりたくありません。
次に2つ目。
「未界域」はモンスター2体並べるための出力手段と、《メルフィーのかくれんぼ》のコストとなる獣モンスターのかさ増し、ドローによる事故軽減につながるカードですが、レベルの関係上リンク以外に活かしにくいです。そのため、出したは良いもののそのまま場に残ることが多く、勿体なさを感じます。
1つ飛んで4つ目。
採用されている「シャドール」融合モンスターの属性は「光」「闇」「地」なので、それ以外の属性の耐性持ちモンスターに対する解答を用意しづらいです。私がカジュアルデッキの構築で最優先することは「対処できない詰み盤面をできるだけ減らすこと」なので、その手段がないことは問題といえます。
そして最後の5つ目。
このデッキはライフカットが遅いです。
もともと打点の高いモンスターを並べづらいこともあります。加えて《影依の偽典》で出したカードはダイレクトできず、《影光の聖選士》は守備表示で蘇生、《ネフィリム》の破壊効果は強制など、ライフを取りづらい要素が多いです。そのため、優勢だったはずが気づいたら盤面を返され、負けていたなんてこともあります。
シンクロ面の強化
強化の方針として、まずシンクロ面での強化を計りました。
出力しやすいチューナー《ペンギン勇士》
「ペンギン」デッキを別で組んでいて、かなり可能性を感じたカード《ペンギン勇士》。前述した問題点である1.と2.と3.の改善に寄与できるカードとして期待し、採用しました。
場に出ると同時に自身のレベルを3~5まで変更できるので、幅広いカードと合わせてシンクロできます。
「モンスターがセットされた場合に特殊召喚できる」ので出力もしやすいです。
シンクロは「水属性モンスターのシンクロ召喚にしか使えない」というデメリットがありますが、リンクであれば縛りはないので、単純に《クロシープ》を作る手段としても使うことも。
このカードの一番偉いところは「引きたくないカードと一緒に引いても有効に使える」という点。例えば、レベル2のカラントーサを素引きしてしまったとして、これをセットせざるを得ない手札だったとしても《ペンギン勇士》を出力、レベル変動して《ペンギン勇者》を作り1妨害構えられます。レベル変動できるが故に、さまざまな組み合わせでシンクロができるため、レベルがバラバラなこのデッキのシンクロ面を強化するにはうってつけだったわけです。
守備力が600であるため、同じく「BURST OF DESTINY」収録の《ルイキューピット》でサーチも可能。「ペンギン」ネームを持つため、《ペンギン勇者》からリクルートできる点も良いですね。
キャットからの択の増加
《レスキューキャット》から出力できる光属性チューナーとして《魔轟神獣ケルベラル》を採用。
受動的とはいえ、サーチも可能なため、以前のファルコンと同じ役割も持てます。
効果はおまけ程度ですが、儀式、融合では反応できないものの「未界域」の効果で捨てられれば出力もでき、光属性なのでネフィリムの素材ともなり得るのが偉い。
カラントーサで起動できる《相剣大公ー承影》
水属性レベル10シンクロとしてかなり使いやすい《相剣大公ー承影》。水属性なので《ペンギン勇士》で組めるのが嬉しい。
以前の構築では、高打点モンスターを突破するのに《アクセスコード・トーカー》や《エルシャドール・ネフィリム》に頼っていましたが、《承影》の採用により手段が増えました。
また、《カラントーサ》は自身のカードも破壊対象に取れるため、《承影》を破壊することで「場と墓地のカードをそれぞれ対象を取らず除外する」効果を能動的に発動することもできます。これにより、問題点4.の解決ともなります。
単純に《影依の偽典》とともに構えて効果で妨害を構えることもでき、場持ちも良いため重宝します。打点も高いためライフも取れますし、良いとこ尽くめです。
新たなレベル4シンクロの選択肢《ルイ・キューピット》
シンクロチューナーであり、範囲が幅広く優秀なサーチ効果を持つ《ルイ・キューピット》をレベル4シンクロ枠として採用。
前述した通り《ペンギン勇士》をサーチできるほか、《ホップイヤー飛行隊》をサーチ対象です。
シンクロ召喚時のレベル変動効果は強制ですが、蘇生時はレベル4固定なので、蘇生できるレベル4チューナーとしても活躍します。
シャドールの再選定
まず《クロシープ》の融合効果のトリガーを満たすために、安定した融合モンスターの供給手段と釣り上げるモンスターの墓地送り手段として用いていた「シャドール」の枚数の再選定をしました。
以前はサーチできるレベル2チューナーとして《シャドール・ファルコン》を採用していましたが、チューナーの採用が増えた結果、ファルコン本来の「2枚分のシャドールとなる」役割しか持てないことが多くなり、枚数を減らしました。
また、ネフィリムの使用回数はプレイングで補えるところが多いため、減らすことが可能であり1枚採用に。これに沿って、4枚目の融合魔法も《魂写しの同化》から《神の写し身との接触》へ変更しました。
その分「シャドール」カードへのアクセス手段をメインに増やすため、《リザード》の枚数を増やしました。《リザード》はレベル4であるため、儀式を行える《メガリス・アンフォームド》と噛み合いが良いです。
また、以前よりモンスターをセットする機会が増えたことから、《影光の聖選士》の枚数も増やしました。以前の構築では、基本的に融合シャドールの蘇生手段として用いていましたが、現在は裏守備モンスターをリバースする手段として重宝します。
何らかの妨害を受け、《ペンギン勇士》のリバース効果を通せなかった時にケアしたり、《ヘッジホッグ》をリバースして「融合」に触れたりと用途は多いです。
現状の構築の悩み
以前の構築の問題点をある程度解消できたとはいえ、まだ悩みはあります。
ルイ・キューピットか虹光の宣告者か
永遠の悩みです。レベル4シンクロとしてどちらを採用するか……。
現状は《ルイ・キューピット》ですが《虹光の宣告者》にしか持てない役割も多々あり、事あるごとに入れ替えてます。
《クロシープ》に着目して比較すると……
- 《虹光の宣告者》は蘇生できる妨害札としての役割
- 《ルイ・キューピット》は蘇生できるレベル4チューナーとしての役割
と、全く別の用途になります。
《虹光の宣告者》は「メルフィー」絡みで少ない枚数から立てられる妨害札としても重宝し、あまり意味ないとはいえサーチもあるため、できればどっちも採用したいんだけど枠が……。
シェキナーガループギミックのオミット
エクストラの枠がカツカツなのは今までの記載から自明です。単体性能で劣り、シンクロ素材として使いづらい《シェキナーガ》の枚数を減らしたいという気持ちがあります。
しかしながら、《シェキナーガ》2枚採用することで、《ネメシス・キーストーン》と《影依の偽典》のコンボで半永久的に融合モンスターの出力ができるという利点があります。
現状はそのままですが、以前の構築よりライフカットがしやすくなり、融合体の出力をこのギミックに頼らなくても良くなっている感があるので、抜いても良いかもしれません。仮にそうするとしたら以下のようなリストになります。
メガリス儀式ギミックのオミット
「メガリス」を絡めた儀式ギミックを採用した発端は、《虹光の宣告者》を採用したことなので、レベル4シンクロ枠を《ルイキューピット》に鞍替えした今、オミットすることも考えました。
儀式ギミックはこれのみでは機能せず、モンスターの出力を通してメインギミックを補強する立ち位置です。《タロットレイ》も消費を強いる上余分な要素です。
そのため実際のところ、儀式ギミックがなくともメインのギミックは回るため、なくとも良いわけです。
そしてこの疑問は次の悩みに繋がります。
承影ルークのコンセプト破壊
《承影》と《影依の偽典》を構え、かつ《エルシャドール・ミドラーシュ》が成立するような状態だと、相手にとっての詰み盤面をつくりかねないです。
これに《クロシープ》は一切絡んでおらず、仮に噛ませたとしても《ミドラ》が通るのであれば過剰であることがほとんどです。つまり、「クロシープでコントロールする」というコンセプトを破壊しています。
承影ルークはデッキ融合ができる状況であれば《影依融合》1枚から行えてしまうのですが、現状のデッキでは先攻でやるには要求値が高いので、この辺は自分が許容できるかどうかって感じですね。
デスフェニ入れないの?
いくらファンデッキとはいえ、このデッキには「アナコンダ+デスフェニセット」を入れる土壌が揃ってます。
- モンスターを2枚並べやすくしている
- デスフェニが自己蘇生する融合モンスターである
- 《メルフィーのかくれんぼ》下でデスフェニの破壊対象を自身の獣モンスターにすれば、相手のみ破壊できる
つまり、「クロシープを絡めて往復ターンで除去を行いたい」という部分のみに着目すれば、採用しない理由の方が薄いです。2枚並べればとりあえず恒久的な妨害を構えられますし、安定性の向上にも貢献できます。
しかしながら、2ドロー2ディスによってデッキを掘り進める「クロシープの儀式効果」とは、「D-HERO」を素引きする可能性がある関係上あまり噛み合いが良いとはいえない、という側面もあります。
前述した通り、メガリスを絡めた儀式ギミックは単体では機能しづらく、消費も大きいためオミットも考えました。
現状の構築に落ち着いた理由は「クロシープを絡めて往復ターンで除去を行いたい」ではなく、2ドロー2ディスを含めた「クロシープの効果を最大限活かしたい」をコンセプトに定めた事です。
未来へ
今回は「BURST OF DESTINY」で強化されたデッキ「クロシープコントロール ver.B」の紹介でした。「BURST OF DESTINY」は良いカードが多くて良いですね〜。
以前の構築より対応力が幾分か上がり、対処できる盤面が増えました。メインに水属性が増えたことから《ドラガイト》のバリューも上がり、隙が少なくなったと思います。
詰み盤面が少なく、相手の動きを見つつもある程度勝てるデッキではありますが、安定性の面では不安が残ります。なので正直まだ構築に満足しているというわけではなく、もっと洗練できたら良いな〜と思ってます!
10月10日追記:
《ガーディアン・キマイラ》という汎用獣融合モンスターが来ましたね!
こういう汎用融合モンスターはずっと待っていたので、構築が根本から変わるかも!と期待してます!